逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
寝ている間に、料理サイトを検索してお粥を作ってみた。
上手いか分からないけど、何か食べて欲しかった。
料理はフランス滞在時少しはやったけど、朝はカフェへいき、夜はレストランを利用する事が多く
お世辞にも得意とはいえない。

オンナのためにお粥を作る自分が、どんだけ尽くしてるんだと自笑する。

初めて入った彼女の部屋。
生活感があって、きちんと自活してるのが伺える。

所々に花や植物が飾られていて、落ち着ける空間だ。


2時間程でベッドルームからでてきた芽衣がオレの姿をみて驚く。
まだいるとは思わなかったんだろう。
目を伏せて、よそよそしい。
一瞬の沈黙の後、
「勝手に退社して申し訳ありませんでした。」

「よせよ。ここは会社じゃないよ。
オレは芽衣の彼氏だろ。
それに、ちゃんと考えた上で辞めることにしたんだと思う。
無責任なやつじゃないのは分かってる。
ちゃんと、資料もまとめてくれていた。

まずは体を回復させて。元気がない芽衣はからかえないだろう。
上司じゃなくなっても、彼氏にかわりない。
縁が切れることはないんだ。いつも一緒だ。

さ、今日はまず食べて。
って言ってもオレが作ったお粥だけど。」

僅かに微笑んで、お粥を食べてくれた。
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