逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「いえいえ、彼氏様はカッコいいなと思って。落ちついてて大人だなあって。」

「それ、遠回しに老けてるって言ってる?
29には見られないし、この前40前に思われた。」


思わず笑うと、ギロリと睨まれた。
老けてるっていうより、貫禄があるのだ。背も高く、堂々としているからな。

「私服の時は年相応だとおもうよ。」

「フォローになってないし。」

あれから辞めたことを聞いてこないので良かった。
上司の顔になったら困るから。

しばらくして、県外の田舎町にきた。
海も山もある小さな町。

ロープウェイは運行していて、若者より老人のグループや小さな子供連れのファミリーが
ちらほら。

すんなりと乗車できて、ドンドン斜面を登っていく。

所々にキレイな花が咲いていたりして。
係りの人が乗車した人に向けの町並みの解説をしてくれる。
みんな耳を寄せる。
関心を寄せて聞き入ると一体感が。
ほんの僅かな時間を、老人から赤ちゃんまで楽しんだ。
のんびりしてていいなあ。
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