逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
10分ほどで到着すると、かなり広めの公園に整備されていて、
アスレチックがあったり、茶屋があったり。
しっかり観光向けの場所だった。
360°パノラマで、色々な方角から景色を堪能出来た。
平日だからか、人も少なく過ごしやすい。
何より空気が美味しい。


「お天気も良くて、空気もおいしいね。
久しぶり大きな深呼吸したなぁ。」

「ああ、オレも。
仕事はやりがいはあるが、日々の生活が仕事に忙殺されると、溺れそうな感覚になる。
結果を出すのは当然で、苦しくなることもあるが、時々こうやってと壮大な風景をみると
ちっぽけな事に悩んだり迷ったりしているのは大した事じゃないって思えるんだ。」


「重圧に押しつぶされないように、自立できるのは立派です。
もし私が男子で我が家に生まれていたらと思うと怖くなる。
でも、期待されて、羨ましくも思う。
まあ、重圧を乗り越えていける力はないと自覚してるけど…。

あの…、桐生課長…、相談もなく仕事辞めてごめんなさい。」

「やめろよ。課長なんて言うな。
君と近くで仕事が出来て楽しかった。
期待以上に助けられたし。

黙って決断した事にイラついたのは本音だけど、それは蓮としてだ。
相談なしかよって。いじけた。
上司としては、君は安易な決断はしない人だ。よく熟考した結論だとおもってる。

ま、どこかのボンクラが君に怪我させたときいて腹わた煮えかえってるけど。


大丈夫か…?。」

そう言って、頬を撫でた。

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