逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「蓮さん。
私も一緒に働いてすごく充実していたよ。
厳しかったけど、いい上司でした。

どうもありがとうございました。」


「いえいえ、お疲れ様でした、平野さん。」

二人して笑った。

「これからどうしようかな。
華道の師範まであと少しだから本腰入れるか、カフェでアルバイトもやってみたいなあ。」

「なんでもやってみたらいい。
知らない自分が見えるかもしれない。」

「そだね。しばらくのんびりして考えてみるね。」


それから、季節を感じながら散歩をして、撮影スポットは絶景で二人で引っ付いて写メを撮った。
ちっともいい写真がとれず、あれこれダメ出しする私に笑いながら何枚も付き合ってくれた。
隙あらばおデコやホッペにチュッチュしてくるからふくれっ面の写真まで写ってしまい慌てて消した。とってもはしゃいで、元気になれた。
一人でウジウジしていたけど、蓮さんに連れ出してもらって元気をもらえた。

「今日はありがとう。とっても楽しい。」

「一人より二人。楽しさ２倍、悲しみ半分こ。だな。」

うんと笑みで返しながら…。あれ、これって。どっかで聞いた事ある。
既視感が…。
何か過るのに、出てこない。
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