逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
千歳はそれから何も言わずに、
「デザート食べて落ち着け。
とりあえず糖分だ。」

そう言って、女将に甘いデザートを色々持ってきてもらい、食べた。
あんみつがほんのり甘くて、思わず

「甘い…。おいし。
ごめんね…。変なとこ見せて。偶然にしても出来すぎ。
ドラマみたい。」

「大丈夫か。もしかして今のが彼氏とか…。」

返事をしない私に、

「やめろ、あんなやつ。あんないかにも下心ありありの女を、こんな個室に連れてくる男なんて。」

「千歳だって、私を個室へ連れてきてるじゃない…。あなたがそれを言うの?」

可笑しくなって、涙目で笑った。

「オレは下心があっても、芽衣を傷つけるようなことはしない。」

「ありがとう。今日はごめんね。変なところ見せて。
どうにかするよ。」

そう言って、送るといってくれた。
マンションに帰るのは訪ねてこられても嫌だし、彼が帰宅するか気になるのも嫌だった。
なので、九条家がよく利用するホテルへ泊まることにした。

千歳がホテルまで見送ってくれて、別れた。
今日は色んな意味で怖くて、スマホの電源をきった。
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