逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「分かってもらえたのなら…。
今日はこれで失礼させていただきます。

実家の方で呼ばれていますので…。」


間が持たず、この場を立ち去りたくて咄嗟に嘘をついた。
母と旅行へ行こうと誘うつもりだったし、事実にすればいいと。

「分かった。ねえ、昨日はどこに泊まってたの?」

「それは、九条家が利用するホテルです。
あそこから近くだったので…。」

「もちろん、一人でだよね?」

疑っててるのだろうか?

「はい、もちろん。なんならホテルの方に聞いて下さっても…。」

「いや、そこまでは…。」


「あの、近く旅行へ短期で行くつもりです。
しばらく連絡出来ないと思うので。

今後の自身の進路をよく考えてみようと思います。

それでは。」

「なっ、それは…。」

「失礼します…。」
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