逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
離れていく気持ち ー蓮sideー
今日もまた仕事だ。
最近は日々、仕事に追われている中で可愛い彼女ができてより一層がんばれた。
ずっと彼女とのきっかけが欲しくてやっと彼氏としてのポジションを手に入れた。

両家公認で、静かに交際を見守ってほしいと嘆願し、このまま時を経て婚約、結婚と芽衣との将来に期待を膨らませていた。
彼女を大事に思い、容易に手を出さず信頼を得ようと少しずつ関係を築いていたのに…。


あの日、あの場所で芽衣と遭遇するとは思いもよらなかった。

しかし、あの前後の会話を聞かれれば誤解されてもおかしくない訳で。

見なかったことにしてその場を去る芽衣に気づいた時には、芽衣は他の男の腕の中にいて…。

煮え繰り返るような怒りを抑え、手を引けば涙を溜めている芽衣の姿。
そうさせているのは自分だと思うと、自身に腹が立って。

この場をとりあえず収めようとしたのは、上条と名乗る男。
接待の女性を待たせて修羅場になるのは避けたく、結局その場を離れた。

今夜誤解を解いてちゃんと話し合おう。

適当にもう一杯飲ませ、マンションへ帰宅するも芽衣は帰っていなかった。

何度連絡しても、電源を切っているのかつながらない。

一旦帰り、シャワーを浴びもう一度部屋の前へ行っても不在だった。
あの男と一緒にいるのかもと思うと、不安が押し寄せる。
エントランスでしばらく待っていると、芽衣の兄が帰宅して出会った。
所在を聞いても分からず、一言詫びて部屋へもどり、翌朝もチャイムを鳴らすが不在だった。
外泊してどこにいるのか?
不安は昨日よりも更に増していた。
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