懐妊初夜~一途な社長は求愛の手を緩めない~
2.千載一遇のチャンス
俺の従弟であり人事・総務部員でもある生駒光太郎から新しい秘書の履歴書を見せられたとき、正直なところ俺は「舐めてんのか」と思った。
「小娘じゃないか!」
「まあまあ、鷹哉。落ち着いて」
外出先から戻って社長室に戻るまでの廊下で、人目がないのをいいことに大きな声を出してしまった。
社長に就任してから二週間。取引先へのあいさつと引き継がれた業務をこなすのにてんてこ舞いになっていて、業務に直接的に関係のあること以外はこうして移動中に確認してもらっていたほど。
優秀な秘書がいればもっと楽になると思っていたので、新しい秘書には期待していたのだ。
それなのに履歴書に書かれていたその女の年齢は、俺より七つも下。〝この間大学を卒業しました〟みたいな年齢ときた。
これじゃあ即戦力になることは期待できない。
「光太郎。お前に任せると言った俺が悪かった」
「そんな見限ったような言い方するなよ~」
「だってお前これっ……どう考えても顔と若さで選んだだろ!」
母方の従弟である光太郎と俺の顔は、似た環境で育ったからなのかよく似ている。
だから光太郎がへらっと締まりなく笑うと、〝やめろ〟と思う。自分がだらしない顔をしているみたいで嫌だから。
「小娘じゃないか!」
「まあまあ、鷹哉。落ち着いて」
外出先から戻って社長室に戻るまでの廊下で、人目がないのをいいことに大きな声を出してしまった。
社長に就任してから二週間。取引先へのあいさつと引き継がれた業務をこなすのにてんてこ舞いになっていて、業務に直接的に関係のあること以外はこうして移動中に確認してもらっていたほど。
優秀な秘書がいればもっと楽になると思っていたので、新しい秘書には期待していたのだ。
それなのに履歴書に書かれていたその女の年齢は、俺より七つも下。〝この間大学を卒業しました〟みたいな年齢ときた。
これじゃあ即戦力になることは期待できない。
「光太郎。お前に任せると言った俺が悪かった」
「そんな見限ったような言い方するなよ~」
「だってお前これっ……どう考えても顔と若さで選んだだろ!」
母方の従弟である光太郎と俺の顔は、似た環境で育ったからなのかよく似ている。
だから光太郎がへらっと締まりなく笑うと、〝やめろ〟と思う。自分がだらしない顔をしているみたいで嫌だから。