見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
あれは一般社員向けに行われる福利厚生行事の一環だと言い、役員や部長クラスが出る必要はない…と言う。


「それに俺達みたいな上役が出れば、皆が遠慮して実力が発揮しにくいだろ」


勝ちを譲ろうとして、わざと力を抜く連中もいるかもしれない…と深読みをする。


「相変わらず日本人というのは、トップの人間には弱いんだな。…だったら分かった。俺も副社長としてではなく、一般社員としてチームの一員に紛れ込めば問題ないだろ」


俺の顔を知る人間が社内にどれくらいいるかは知らないが、帰国して一ヶ月そこらでは、知らない者も多いだろうと予測した。



「えっ?千之さん、社内行事に参加するの!?」


お茶菓子を持ってきた兄嫁は、兄貴から話を聞かされ、驚いた様な表情で俺を見た。
しかし、兄貴のように頭から反対をすることはなく。


「いいんじゃない?スポーツすることは体にもいいし、社員の顔や性格を知るのには持ってこいだと思うわよ」


参加には賛成だと言い、それなら是非、紹介したい人がいる…と微笑む。


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