見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「話によれば、忘年会でも何か言っていたみたいですし、余程気になるのかな…とお見受けしますけど?」


ニターッと締まりのない笑みを浮かべる相手を見返し、一瞬呆れ返りそうにもなったが。



「……まぁ、気にならないこともない」


曖昧な返事をして、さっさと出て行け…と手で追い払う。
堂本はクスクスと笑いを含めると、はいはい…と二度返事をして、軽く一礼してドアを閉めた。


奴が去った後、俺は溜息を漏らした。
三日の夜に彼女と話が出来なかったことを思い出して、「惜しかった…」と独り言を呟く。



「菖とあんな所で会わなければ」


こんな風に気を揉むこともなかったのに…とまた溜息が出る。
あれから彼女とは社内で顔を合わせることもなく、したかった話も出来ずに時間ばかりが過ぎていた。


「ボウリング大会では、話すチャンスが持てるだろうか」


彼女のことだから、きっとまた周りのことだけを考えて、バタバタと蟻子のように忙しく動き回っているんだろう。

けれど、俺はそんな風にがむしゃらに頑張る姿を見ていると無性に心配になってくる。


< 131 / 325 >

この作品をシェア

pagetop