見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜＊おまけ終了＊

俺は神野とはチームが別れてしまったが、一つレーンを挟んだだけで、比較的彼女の姿が目に入り易い場所で安心した。


しかし、そこで俺が目撃したものは、若い男性社員に声をかけ、やたらと明るく振舞おうとする神野の姿で＿＿。



（あいつは……）


前に見たことがある…と記憶を思い起こそうとした。
確か何処かで見かけた顔だったと思うが直ぐには浮かんでこず、モヤモヤした気持ちを持ったまま二人の様子を眺めていた。


神野はそいつがボールを投げる番になるとポンと背中を押し、「行ってらっしゃい」と声をかけていた。

投げて戻ってくると満面の笑みで迎え入れ、結果はどうであれ、「お疲れ様ー」と言いながら、そいつが飲みかけているジュースのボトルを手渡している。

自分が投げる時にも、そいつに「応援よろしく」と声をかけ、スコアが良ければハイタッチを求めて腕を上に向けていた。



（何なんだ、あれは）


あの馴れ馴れしさは何だ…とつい厳しい眼差しで見てしまう。

ハイタッチとかやめろ、と割って入りたくもなり、これは社内行事の一環だ…と自分に言い聞かせて落ち着かせる。