見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
(くそっ)


居た堪れずその場を離れ、一旦レーンが見渡せる場所まで戻ってみたが、神野もあいつも姿がなく、焦った俺はボウリングのフロアから一階へ下り、ゲームセンターになっているフロアの中を探し始めた。


クレーンやコインゲームで遊ぶ人達の顔を確かめ、神野かどうかを見定めてから他の場所へ移動する。
それでも、彼女もあいつも見つからず、何処へ行ったんだよ…と独り言を吐き出しそうになった。


仕方なく、もう一度二階へ戻ろうとエスカレーターの近くまで戻ってきた時だ。
カラオケルームの前に置かれたセルフドリンク機の隅で、コソコソと話し合っている二人の姿を発見した。



(あんな所で)


何してんだよ、と怒りを覚えながら近づいて行く。

寄ると相手は壁に背中を凭れた状態で顔を俯けていた。
神野はその前に立ち、何やら心配そうに顔を覗き込んでいる。


一見すると、親密そうな恋人同士に見えなくもない。
けれど、俺はそれを否定したい気持ちで二人の方に歩み寄った。


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