見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜＊おまけ終了＊

彼女の頭の中では、多分俺に言ってきた言葉が回っているだろうし、その俺に言った「好き」と、自分が言われた「好き」とが重なり、相当混乱して戸惑っているのではないか。


相手と自分とでは違いがあると思っていても、どこが違う？と問われたら、相違もないように思えてしまっているのではないのか。


（あーあ、もう）


仕様がねぇな…と呆れながらも少しずつまた歩み寄る。
変な回答を神野がする前に、あいつにちゃんと教えといた方が奴の為にもなると思う。




「おい！」


声を発すると、ビクッとしたように彼女が背中を伸ばした。
相手の男も目線を上に向け、視界に俺を収めて驚いたように目を見張る。



「探したぞ、琴音」


名前を呼び捨てながら近づいて行くと、真ん丸な目をした彼女が振り返り、俺はニコッと笑みを浮かべた。


「休憩が終わりそうになっても戻ってこないから心配したぞ。一体こんな所で何をやってるんだ？」


何食わぬ顔つきで声をかけ、相手の方にも目を配った。