見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
それ以外に何か理由があるのか?…と問えば、きゅっと唇を噛み締め、悔しそうな表情を浮かべる。



「確かに、そうですけど…」


ショックな感じで肩を落とすと、背中を向けて歩き始めた。


「……でも、高吉君の気持ちを考えるとハッキリ言うのが気が引けて。ようやく社内行事に出てみようかって気にもなれたんだし、ここで言い方を間違えて、また彼の気持ちを盛り下げてしまったらどうしようかと思うと、うまく言葉が出てこなかったんです……」


何とかしようと自分では思っていた。だけど、なかなか出来なかった…と自分を責めているようにも見える相手を俺は手を取って引き止めた。


「ただ相手に情けをかければいいってもんじゃない。現にあいつは神野の優しさを勘違いして、自分のいいようにしか受け取ってなかった。だから、俺はそれを修正してやっただけだ」


そう言うと彼女は振り返り、キッと目元を吊り上げた。


「それであんな嘘を吐くんですか!?恋人同士だなんて、誰が聞いてもすぐにバレるような嘘を!」


非難するような眼差しで見つめ、きゅっと唇を噛む。


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