見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「神野ちゃんはいいよね。もう副社長とは恋仲だもん」


自分も負けずに頑張ろう、と言い合う同僚達に曖昧な笑みを浮かべる。

あの日以来、副社長の目線を感じても何も言われず、それはそれで、やりきれないものを覚えながら寂しい毎日を過ごしていた。


副社長はもう私みたいな女子のことを呆れて、相手にしないでおこうと達観したのかもしれない。

聞いても話さない頑固な態度に、こんな人間だったのか…と愛想を尽かせたのかもしれない。


そう思いながら、あの夜の彼の声を思い出すと落ち込む。
あんな風に別れるくらいなら、自分の為ではなく、人の為に動いているから話せない…と彼に伝えれば良かった…と後悔を始める。


後悔するくらいなら、皆との約束を反故にすれば良かった。
そうすればきっと、今の様な冷めた間柄にはならなかったのに__。



(……そういうこと、きっと出来なかったと思うけど……)


自分の仕事は、周りの人の為にするのだった…と思い返す。
皆の為に働くのが務めで、それを黙っているからこその信頼や信用が、自分は得られているのだ…と思い直した。


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