見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「ふく……」


頭の中で、ううん…と首を横に振った。
今、自分の目の前にいる人は、企業のトップに立つ彼ではない。


「かずゆき…さ……」


ん…っ、と声を無くしたのは、彼が私の唇を塞いだからだ。

求めるように体をぎゅっと抱かれて、息も継げないくらいに熱いキスが注がれてくる。

大きな掌が頬を摩って髪の毛を掬う。
背中に回される腕も強くて、熱くて体温が上がっていく。



「琴音…」


声を漏らす彼の吐息も熱い。
それを間近で受け止めながら、軽い脳震盪を起こすような錯覚に襲われた。



「…はっ…」


息を吐き出してもまた唇が奪われる。
そうして自由を無くし、暫く彼の気持ちを受け止め続けた____。


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「……悪い。暴走した」


唇を離した彼は、急に反省をしたように謝ってくる。
私はヒリヒリする唇を指で押さえ、いいえ…と頭を横に振った。


「もう午後の就業は始まってるな。仕事へ戻らないとマズいよな」


このまま帰れたら一番いいのに…と呟く彼に、笑みが溢れる。
それをしたらきっと、来週から凄い騒ぎになると思う。



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