見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜＊おまけ終了＊

「この間、何を言いたかったのか、教えてくれませんか？…ほら、ダイニングバーで食事して、カフェを出た後、私の仕事について訊いたでしょ？」


仕事を任せられる人はいないのか？…と心配してくれた。
だから、もしかして当てでもあって、あーいう言い方をしたのだろうか…と考えたのだ。



「…ああ、あの時か…」


暗めな声で返事をする彼。
その表情はあまり冴えず、別に今聞かされなくてもいい…と焦った。



「いいんです！別に今でなくても」


慌てて彼を制する。
でも、千之さんは意味深な感じで私を見ていて、制しても言いたそうな雰囲気に、ドキッと胸が弾んだ。


「琴音が、仕事を大事にしているのは、ずっと前から分かっている。今回のこともそうだが、自分の信念を持って働いていると思っている。そういう所、本当に俺は感心する。社員として誇りに思うし、俺もそうありたい…と自分に発破を掛けてもらっている。でも…」


言葉を区切り、その先を言ってもいいのかどうか…と迷う様な表情をする。
ここまで言っておきながら、その先が言えない何かを、彼は抱えているのだろうか…と神妙になった。