見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
もしも、見つからなければ、ずっとこの仕事を続けるのだろうか。
五年間、代わり映えもしなかった仕事を、この先も延々と続けていかないといけないのか……。


道程の先を思うと、急に暗くなってきてしまう。
明るく働く自分に、元気を分けて貰っている…と話す人達がいるのに、暗くなっている場合ではない…と気持ちを奮い立たそうとしているのに……。


なのに、歩き出せない。
足を前に踏み出さないと駄目だけれど、自由が効かない___。



床に沈み込んでいきそうだ…と錯覚を覚えた。
頭を振って、前に進もうとしたらフラついた。



「危ないっ!」


咄嗟に駆け寄ってくる人の方へ振り向く。
ひょろっと背が高くて細い体つきの彼は、後ろから手を伸ばすと私の腕を支え、「大丈夫ですか!?」と青ざめた顔をした。


「神野さん、この間からおかしいですよ。風邪でも引いているんじゃないですか!?」

「高吉君…?」


名前を呼びながら、そう言えば彼は、金曜日も私の気落ちに気づいていたな…と思い返す。
あの時は自分のことを引き合いにして、そういうのが何となく分かる…と話していた。


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