見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜＊おまけ終了＊

「本当にありがとう！でも、風邪を引かれたら責任を感じる！」


大丈夫？…と顔を見上げて訊ねると笑顔が戻る。
それに安心しながら食事をして、テントを片付けてから車に乗り込んだ。



「そうそう、琴音」


運転しようとしていた彼は振り返り、「昨日言っていた葉山のことだけど」と言葉を続けた。


「俺は報告書を読み上げる堂本の声をよく聞いてなかったんだけどな、多分、彼女が選ばれた一番の理由は、資格と関係があるんじゃないか？」

「資格？」

「そう。そういう様なことを堂本が言っていた気がする」


ごめん、中途半端で…と謝る彼に、ううん…と首を振る。

頭の中では、そのうち分かると思う…と言っていた彼女の言葉が蘇り、それをただ待っていればいいんだ…と気持ちをサッと切り替えた。


車を走らせながら、千之さんは高吉君のことも教えてくれた。

それによると、彼は以前から異動願いを出し続けていて、商品管理部で数字を見るよりも店舗で顧客と接したい…と改めて願いを出していたそうなのだ。