見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
だけど、お目出度いことに水を差すようなことは言えず、思いを打ち消して、「おめでとうございます」とお祝いを述べて祝福したそうだ。


「それで神野ちゃんが入社するまでの間、自分一人で全部を担当することになったの。社内行事もメンタルケアも、一人でやるのは、なかなかどうして大変だった」


悩むことも多かった…と話す先輩は、だからこそ、今の神野ちゃんの大変さは凄くよく分かる…と理解を示した。


「お正月に遊びに来た時、少し思い詰めた感じだったでしょ。だから凄く心配になって、理沙さんに、『福利厚生の担当に戻ってもらえませんか?』とお願いしたの。
…私、自分は会社を辞めておいて、そういうお願いをするのはお門違いだと思ったけど、神野ちゃんが潰れてしまって、壊れてしまったら嫌だと感じた。
ずっと二人で一緒に頑張ってきてくれたのに、神野ちゃんの顔から、笑顔が無くなってしまうんじゃないかと思うと…怖くなったの」


それで何度か頼み込んで説得をし続けた。
社長にも実情を話し、人事部長に声をかけてくれるよう願い出てくれたのだそうだ。


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