見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「これで理沙さんが聞いてくれなかったら、その時はどうにかしよう…と思ってた。
自分が仕事を復帰してでもいいから、神野ちゃんを支えたいと感じてたの」


けれど、その必要はない…と三月初めに電話があった。
相手はもちろん葉山さんで、「安心して任せて」と言われたそうだ。


「私が異動願いを出したと言った時、紀香は何も言わずにお祝いしてくれたじゃない。
だからこそ、今の自分があるのだと思うし、安定もしていられるんだと思う。
私はあの頃、いろいろ重なってて不安定で、でも、紀香の潔さが自分を救ってくれたんだと思うのよ。
そういう大事な人の願いを聞かない訳ないでしょ!大丈夫。彼女と仕事のことは任せておいて」


久し振りのカウンセリングはちゃんと出来るかしら…と笑っていたらしい。
先輩はそれを聞いて安堵し、やっと肩の荷が下りた…と息を吐いた。



「あの…」

「ん?」


片付けを終えた私達は、まだキッチンに立ったまま話し込んでいた。
全てを聞いた私は心から先輩の思いやりに感謝し、それでも尚、謎な部分が残っていたから、それを確かめたくなった。


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