見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
後は、もう一度この紙を各部署に配って一週間後に再回収。
そこで最終的な参加人数を確定して、キャンプ場に連絡をすればいい。


(その前に先ずは副社長に会わないと…)


何よりそれが一番気が重い…と、紙を手にして立ち上がった。
肩を落として総務を出る私は、きっとその日一番疲れた表情(かお)をしていたと思う。



私が他の部署を先に回り、ラストに秘書課のドアをノックして開けたのは、お昼休みも間近の午前十一時四十五分。
この時間なら、そろそろいろんな会議も終わりを迎えるはず…と踏み、失礼します…と言いながら中へ入った。


「ああ、神野さん、いらっしゃい」


主任秘書の堂本さんは、私を確認すると黒い革張りの手帳を手にしたまま挨拶をした。
こっちはその姿を視界に入れながら、お疲れ様です…と返事して、行事参加の紙を見せ、「一週間後にまた回収に伺います」と手渡す。


「あの…」


先に堂本さんに、副社長が参加するのはどうしてでしょうか?と問うた方がいいのかな、と思い声を発した。堂本さんは、神妙な顔をする私に目線を送ると、ん?…と首を傾げ、「疲れてる?」と訊いてくる。


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