見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜＊おまけ終了＊

忘れられない忘年会

週明けの月曜日、私はデスクに肘をつき、ぼうっと考え事をしていた。
脳内ではキャンプの夜に副社長とした会話がエンドレスで繰り返されていた。


……あの夜、副社長と私は焚き火にあたりながら短い時間を共に過ごした。
私は彼に、「どうして他の人と同じ場所にテントを張らなかったんですか？」と訊ねた。



「こんな丘の上に立てなくても」


淋しくないですか？と問うと、彼は私に振り返って。


「全然。一人でいる方が落ち着くよ。それに、俺が皆の近くにテントを張ればまるで見張られてるような気がする連中もいるだろ」


変に気分を盛り下げてもいけない…と呟き、炎の方へと目線を落とした。


「それにさ、一人でじっと焚き火を見ている方がホッとするんだ。火の粉が舞い上がる様とか、揺らめぐ炎を見てたら印象的で、時々ハッとさせられて、癒されるような気がする」


マグを持ったまま呟く彼の横顔を見つめ、この人、ロマンチストなのかな…と思った。
それで自分も彼とこの空間を共有したい…と思い、炎に目を向けた。