見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
焚き木の間から昇っていく炎は、時々パチッパチッ…と弾けるような音を発しながら火の粉を巻き上げては揺らめいている。
オレンジ色から赤色にグラデーションして見える炎は様々に形を変え、時を忘れてしまいそうな気がする。


「本当……ずっと見ていられますね」


呟くように声を漏らすと、私に目を向けたと思われる副社長は……



「ああ…」


そう言ったまま少し短い沈黙が続いた。
私はその間、声を発するのも(はばか)れるような気がして、無理に黙っていたのだけれど。


(こういう雰囲気のまま無言でいるのもなんだか落ち着かないのよね。此処へはただ弁解に来ただけだし、要件が済んだらさっさと帰った方がいいのかな)


副社長も何も言わないけれど、いつまで居るんだ…と思っているかもしれないと考え、一気にココアを飲み干した。
飲んだ後のマグはどうすればいいんだろう…と迷い、握ったまま相手の方へ振り返ってみると……


ドキッとするほど副社長から見つめられていた。
それで驚いて声にならず、目を見張ったまま相手を見返した。



「飲んだのか?」


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