見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「はぁ…」


仕事やらないとな…と思い、デスクの上に置かれたA4の用紙を拾い上げる。
一番上に印字された『忘年会の開催について』の文字を見つめ、もうそんな時期か…と重い腰を上げた。


各部署へと向かいながら、なかなか切り替えれない思考を頭に浮かべたまま廊下を歩いた。

忘年会の幹事でもある商品部へ最初に向かい、出来上がった開催案内を渡して次の部署へと向かい始めた時だ。


「あっ…」


足を止め、歩いてくる相手にペコッと会釈する。
俯き加減で歩いていた人は立ち止まって私に気づき、同じ様に会釈を返して、フ…と微笑んだ。


「お仕事の調子いかがですか?その後、体の方は大丈夫?」


私が声をかけたのは、商品管理部で働く入社二年目の男性社員だ。
名前は高吉清斗(たかよしきよと)君と言い、ヒョロッと背が高くて気弱そうな感じの人。


「ありがとうございます。調子の方はまあまあ大丈夫」


色白な顔を緩ませながら笑顔で答える高吉君。
それに少し安心しながら、「無理はしないでね」と声を返した。


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