見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「……なんだ。泣いてるのかと思ったが」
そうじゃないのか…と多少残念そうに聞こえるのは錯覚だろうか。
自分が少しへこんでいるせいで、都合のいいように聞こえてしまったのかもしれない。
「別に…泣いてなんかないですよ」
ようやく声を出して持ち上げられた腕を振り解いて下ろす。
偶然とは言え、この人の側に居れば確実に注目の的になるに違いない…と思い、取り繕った笑みを浮かべて、その場を逃げようとしたのだが……。
「おいっ!」
呼び止められ、顔を向けた途端、口の中に放り込まれるチョコレート。
ココアの香りが強くて、少し苦味の効いているビターチョコだ。
唖然としたまま、思わず奥歯でガリっと噛んでしまう。アーモンドチョコだったらしく、ナッツの芳ばしい香りとチョコの味が溶け合う。
「…な、何するんれすかっ!」
モグモグと噛みしめながら、いきなり口の中に物を放り込まないで、と抗議しているのに、相手はそんな私のことをジロッと睨みつけるばかりで。
「あんたが周りに媚を売ってばかりいるからだろう」
冷静そうな声で一喝し、こっちは、はぁ!?…と首を傾げるしかない。
そうじゃないのか…と多少残念そうに聞こえるのは錯覚だろうか。
自分が少しへこんでいるせいで、都合のいいように聞こえてしまったのかもしれない。
「別に…泣いてなんかないですよ」
ようやく声を出して持ち上げられた腕を振り解いて下ろす。
偶然とは言え、この人の側に居れば確実に注目の的になるに違いない…と思い、取り繕った笑みを浮かべて、その場を逃げようとしたのだが……。
「おいっ!」
呼び止められ、顔を向けた途端、口の中に放り込まれるチョコレート。
ココアの香りが強くて、少し苦味の効いているビターチョコだ。
唖然としたまま、思わず奥歯でガリっと噛んでしまう。アーモンドチョコだったらしく、ナッツの芳ばしい香りとチョコの味が溶け合う。
「…な、何するんれすかっ!」
モグモグと噛みしめながら、いきなり口の中に物を放り込まないで、と抗議しているのに、相手はそんな私のことをジロッと睨みつけるばかりで。
「あんたが周りに媚を売ってばかりいるからだろう」
冷静そうな声で一喝し、こっちは、はぁ!?…と首を傾げるしかない。