見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「好き…」
ポロッと溢れた一言にオタオタしながら唇を隠した。
性懲りもない、と彼に呆れられて、また怒られると覚悟して肩を竦ませる。
…でも、こっちを向いた彼は一回咳を払って顔を背けただけだった。
私の反対側に顔を向けたまま押し黙るその姿は、これまでに見た人と同じなの?…とまた新鮮に目に映り。
「副…社長……?」
肩書きを呼ぶと仕様がなさそうに振り返る顔。
その困った様な顔つきに胸が鳴り、キュンと狭まって手が震えた。
「…だから、そういう顔で見るなって」
そう囁くと、相手は私の方に近付いて上半身を項垂れる。
覆い被さってくる彼の気配に圧倒され、私は声も出せずにぎゅっと目を瞑った。
ふわっと前髪が重なり、胸が弾む。
ドキッとする間もなく柔らかいものが額に触れ、そろりと温もりが離れていく。
(わっ……)
ドキン!と大きく胸が弾んだ後は、心臓が加速するのに気づいて混乱した。
急に何故彼がこんなことを…と頭では思うのに、混乱している私には、どういう態度に出ればいいのかが全く分からず。