見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
気づけばダッと走り出して、その場を離れようとしていた。
廊下を猛ダッシュしながら一つだけ言えたことは、もうこの恋が本物で、取り返せないところまで深く育ちきっているんだ…ということ。

それを少しだけ副社長が汲んでくれた、ということ。


つまり、さっきの額のキスは、ただの彼のお情け…という意味。



(そうとしか受け取れない……)


余りにも私が彼を凝視し過ぎるから。
もう本当にやめてくれって意味で、最後に情けをかけてくれたのだ。


ぐっ…と胸を詰まらせながら走りきって、下りてきたエレベーターに乗り込む。

今の自分を誰にも見られたくない一心で壁際に凭れ、勢いで自宅まで帰ってしまった___。



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