見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
はぁ…と溜息を吐き出してベッドの上に凭れ込む。
息を吸うと間近で感じた副社長の体温を思い出して胸が鳴り、体が熱く感じて心臓が速まる。



(私……)


あの時、彼に手を取られて廊下を走りながら戸惑っていたけれど、少しホッ…ともしていた。

彼の言うように、本当に私のことをずっと見ていて、些細な心境の変化にも気づいてくれて、それで側へ来てくれたのなら、これ以上に嬉しいことはないのに…と感じていた。


(けど、それもきっと私の勝手な憶測よね)


半分以上は願望。
副社長が私のことをそこまで深く見ている筈がない。

色々と目の前で変なことをしてきたし、今回もそれと同様で、何か仕出かすかもしれない…と偶然注目していただけだと思う。

だけど、忠告しても私の態度が素っ気なくてつまらなくて、連れ出して(たしな)める為だけにあんなキスを。


(期待させて…)


あんなキスなんてしなくても良かったのに…と思うとまた脈が乱れる。

今頃あの人はどんな感じで忘年会を楽しんでいるんだろう…と思うと悔しくなって、ソースも全部制覇しきれなかったじゃない…と逆恨みしながら、ボスッと壁に向かって枕を投げつけた。


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