禁猟区のアリス
7
わたしは両手で耳をふさぐ。水の中でトクントクンと聞こえていた、わたしの生きている音が、今は聞こえてこない。
「ギャクタイによるデキシ」歌うようにウサギが言う。
聞きたくはなかったが、反面、やっぱりなと、どこか諦めに似た気持ちがした。
デキシ。それがパパのキョウイクのせいだって、そのくらい、ウサギの顔を見なくてもわかる。
「そして罪状は、虐待による殺害」
ウサギは探るようにわたしを見つめて、にやりと笑った。
冷たい指先が、微かに震えた。
コツコツとエナメルのパンプスの靴音を響かせて、黒猫がピアノの前に座った。一音、優しげな音が鳴る。
「罪状……って…」
わたしは冷たい指先を両手で握って、ウサギに尋ねる。
ギャクタイによるデキシ、と、虐待による殺害、がうまく繋がらない。
ウサギは片手で頬杖をついて、ミルクのカップをかき回す。黒猫はしなやかな指先から、ゆったりと優しい音を鳴らす。
耳の中で水の音が聞こえた。
「罪状は罪状さ」
わたしは両手で耳をふさぐ。水の中でトクントクンと聞こえていた、わたしの生きている音が、今は聞こえてこない。
「ギャクタイによるデキシ」歌うようにウサギが言う。
聞きたくはなかったが、反面、やっぱりなと、どこか諦めに似た気持ちがした。
デキシ。それがパパのキョウイクのせいだって、そのくらい、ウサギの顔を見なくてもわかる。
「そして罪状は、虐待による殺害」
ウサギは探るようにわたしを見つめて、にやりと笑った。
冷たい指先が、微かに震えた。
コツコツとエナメルのパンプスの靴音を響かせて、黒猫がピアノの前に座った。一音、優しげな音が鳴る。
「罪状……って…」
わたしは冷たい指先を両手で握って、ウサギに尋ねる。
ギャクタイによるデキシ、と、虐待による殺害、がうまく繋がらない。
ウサギは片手で頬杖をついて、ミルクのカップをかき回す。黒猫はしなやかな指先から、ゆったりと優しい音を鳴らす。
耳の中で水の音が聞こえた。
「罪状は罪状さ」