ホームズの子孫はピンチになると駆けつける
懐かしい顔
私、胡桃沢和香(くるみざわわか)の朝は早い。同居人の朝ご飯を作らなきゃいけないから。でも、その時間が楽しくてたまらない。

スパニッシュオムレツと、トーストを焼いてスープを作る。朝ご飯が出来上がった頃、同居人の二人が降りて来た。

「おはようございます!ホームズさん、ワトソン先生!」

私が笑顔で挨拶をすると、ホームズさんとワトソン先生は「おはよう、和香」と頰を赤く染める。

ホームズさんは、あの有名な名探偵であるシャーロック・ホームズの子孫だ。名前や性格、全てを受け継いでいて探偵をしている。

ジョン・H・ワトソン先生は、私が看護師として働いている診療所のお医者さん。多くの患者さんに慕われている。私が家を失ってしまった時、「一緒に暮らそう」とここベーカー街221Bに住まわせてくれている。

「紅茶、淹れるね」

ワトソン先生がキッチンに立ち、私のホームズさんは紅茶を待つ。これもすっかり当たり前になった。
< 1 / 32 >

この作品をシェア

pagetop