ホームズの子孫はピンチになると駆けつける
散らかった本や服を片付け、掃除機で床に落ちているお菓子の食べかすなどを吸い取っていく。園子ちゃんは不思議そうな目で見つめていた。

「別にあとで私がやるからいいのに〜」

「園子ちゃん、そう言って絶対しないでしょ!」

園子ちゃんは、掃除や家庭的なことが大の苦手だ。家に遊びに行くと、園子ちゃんの部屋だけゴミ屋敷のようになっていた。まさかこの家まで荒らされるとは……。

一時間ほどで何とか片付け終え、お腹はもうペコペコだけどあのテーブルの上に置かれたものを食べる勇気は出ない。

「ほら、おいしいよ?」

平気な顔で園子ちゃんは食べるけど、園子ちゃんが壊滅的な味オンチというのもわかっている。何年も一緒でしたから!

「園子ちゃん、作ってくれたのは嬉しいんだけど……」

とりあえず園子ちゃんを誤魔化し、食事は遠慮させてもらうことにした。ワトソンとホームズさんの食事を作るため、私はキッチンに立つ。

「ワトソン先生、こんな時間ですし簡単なものでいいですか?」

「いいよ。和香の作るご飯は何でもおいしいから」
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