ホームズの子孫はピンチになると駆けつける
少し疲れたような笑みをワトソン先生は見せる。多くの患者さんの診察をして、家に帰ってからは大掃除。なんだか申し訳ない。

ワトソン先生に少しでも元気になってもらおうと、私は冷蔵庫を開ける。いくつか材料を取り出し、パパッとチキン南蛮風トマトスープパスタを用意した。

「おいしそう!お腹ペコペコだったんだ〜」

ワトソン先生は喜んで食べてくれた。とりあえず、私はホッとする。ちなみに園子ちゃんは「ちょっと散歩に行ってくる」と出て行った。

「おいしい!」

ワトソン先生がそう笑ってくれたので、私も「ありがとうございます」と照れる。ワトソン先生はいつも素直に褒めてくれるんだ。

「ただいま」

その時、ドアが開いてホームズさんが帰ってきた。

「おかえり〜。ご飯は和香が作ってくれてるよ〜」

ワトソン先生がそう笑うと、ホームズさんは「食べる」と言い自室へと入って行く。しかし、すぐに自室から出てきた。その顔は不機嫌な時に見せる顔だ。

「部屋を誰かいじったな。ワトソン、君か?」
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