ホームズの子孫はピンチになると駆けつける

さすがホームズさん……。バレた……。私はワトソン先生をチラリと見る。ワトソン先生は「しまった〜……」と言いたげな表情だった。

「ワトソン先生は悪くないです」

私は事情を説明する。するとホームズさんはますます不機嫌な顔になった。

「……あの女か……」

園子ちゃんが出かけていてくれてよかった、と心から思う。

ホームズさんは不機嫌で、ワトソン先生は顔を真っ青にしていてどうしたらいいんだろう……。

私が対応に困った時、偶然にも呼び鈴が鳴り響いた。ドアの外にいる救世主に私は嬉しくなる。

「こんばんは」

「こんばんは」

挨拶を返してくれたのは、ロンドン警視庁のレストレード警部とグレッグソン警部だった。また事件の話かな。事件の話だとホームズさんの機嫌も少しはどうにかなる。

「ホームズさん、お客さんです」

ホームズさんは不機嫌な顔だったけど、二人の警部の顔を見るとその表情を少し緩めた。

「何だ？また事件か？」