ホームズの子孫はピンチになると駆けつける
ホームズさんが嬉しそうにそう言ったことに、私とワトソン先生は顔を見合わせて笑う。まるで子どもみたいだ。

「本来なら、君の力を借りなくても解決できるんだけどね」

そう言いながら、グレッグソン警部が勝手に椅子に座る。私はお客さん二人の紅茶を用意しにキッチンに立った。

「よかったら、どうぞ」

紅茶を出すと、二人は「ありがとう」と微笑む。ホームズさんは一瞬不機嫌な顔を見せた。どうしてだろ。

「それで?どんな事件なんだ?」

ホームズさんが訊ねると、レストレード警部がかばんの中から一枚の写真を取り出した。私とワトソン先生も写真を覗き見する。どこにでもいそうな顔立ちの男性だ。

「この男を追っている。男の名はジェイムズ・ウィンディバンク。イタリアのナポリを拠点とするマフィアの幹部だ。今ロンドンにいるという情報をもらった」

「つまり、この男を捕まえろということか?」

レストレード警部の言葉に、ホームズさんは「面白そうだ」と呟く。
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