ホームズの子孫はピンチになると駆けつける
「何も起きないといいんだが……」

事件を望むホームズさんがそんなことを言うなんて……。私が横を見れば、ホームズさんは難しそうな顔で何かを考え込んでいるみたいだった。

「和香、今ちょっといい?」

ワトソン先生に呼ばれ、私は「はい!」と立ち上がった。



そして、園子ちゃんと約束した日がやって来た。園子ちゃんはとても張り切っている。

「和香ちゃん!早く行こうよ〜」

園子ちゃん何急かすので、慌てて着替えとメイクを済ませてかばんを持つ。

「ホームズさん、ワトソン先生、夕方には帰ります。お昼は用意しましたので」

私が新聞を読んでいる二人に言うと、二人とも微笑んでくれた。

「ありがとう。楽しんできてね!」

「遅くならないようにな」

ホームズさんとワトソン先生に「はい!行ってきます」と笑うと、二人は同時に頰を赤く染める。そして、「行ってらっしゃい」と言ってくれた。

園子ちゃんと最初に訪れたのは、ウェストミンスター寺院。イギリス王室の冠婚葬祭で有名。

「うわ〜、綺麗!!」
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