ホームズの子孫はピンチになると駆けつける

園子ちゃんがホームズさんの頭を掴んだ。その刹那、ホームズさんがつけていた金髪のウィッグが取れて黒い髪があらわになる。さらに、ホームズさんのメガネや付け髭などを園子ちゃんは奪ってしまった。

「ホ、ホームズさん……」

私は背後からの殺気に怯え、ホームズさんは楽しげな園子ちゃんを睨みつけている。

「クソッ！！俺をマークしてたのか！！」

ジェイムズさんは懐から黒い拳銃を取り出す。私は「きゃあッ！！」と悲鳴を上げ、園子ちゃんも初めて恐怖をあらわにした。

ジェイムズさんは椅子に座っていて動けなかった私に銃を突きつける。そして、「立て」と命令した。私は抵抗することなく立ち上がる。もう泣きそう……。

「おい、探偵。この女を殺されたくなかったら、逃走用の車と金を用意しろ。一時間以内に用意しないとこの女の頭を撃ち抜くぞ！！」

硬い銃口がこめかみに当てられ、私は生まれて初めて死ぬかもしれないという恐怖を味わう。ホームズさんは「わかった」と言い、ジェイムズさんを見つめた。