ホームズの子孫はピンチになると駆けつける
「だが一つだけ言わせてくれ」

ホームズさんはジェイムズさんに清々しい笑顔を見せる。

「君はすでに僕に捕らえられている」

「は?」

ジェイムズさんが聞き返した刹那、パンッと音が鳴り響いた。銃声だ。

ジェイムズさんの手に誰かが撃った銃弾が当たり、銃が弾かれる。私はジェイムズさんが驚いた隙に脱出した。

ホームズさんが素早くジェイムズさんを取り押さえ、レストレード警部に連絡し始める。すると、「和香!!」とカフェの奥からワトソン先生が姿を見せた。

「和香、大丈夫かい?どこも怪我はしていない?」

ワトソン先生は私の腕などに触れ、怪我をしていないことを確かめる。そして、「よかった……」とふわりと私を抱きしめた。

「えっと……」

なぜ、ワトソン先生がいるのかわからない。すると、ジェイムズさんを拘束し終えたホームズさんが近づいてきた。

「ワトソンはこう見えて、射撃が得意なんだ。何度かその腕に助けられている。あの銃声はワトソンが発砲したものだ」
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