塩崎先生と大浦さん
少しキレ気味に答える。
「もしもし、保健室です」
「あ、はい」
「六年生の大浦さんが胃痛でして、病院に連れて行ける先生を探していて…」
…っ!?
大浦さんが体調不良だなんて、いつもの彼女からしたら考えられないことだった。
「僕が、行きます」
「ほんとですか?ありがとうございます」
受話器を置いて、急いで支度をする。
…大浦さん…
「心配かけんなよ」
静かに呟いて、職員室を飛び出した。