メリークリスマス!
「陸、すごい喜んでたな。」
「うん」
大盛り上がりの夕飯が済むと陸はすぐに眠ってしまった。
柚葉と永遠は二人でそっと陸の枕元にプレゼントを置くと陸の寝顔を見ていた。
「ありがとうな」
そう言って永遠が柚葉の頬にキスをする。
「うんん。私こそ。いつもありがとう。」
そう言いあってお互いに笑いあう。そして熱い口づけをしてから抱きしめあった。

「永遠」
「ん?」
柚葉はそう言って車いすから立ち上がる。
「大丈夫か?」
すぐに永遠がその体を支えようとすると、柚葉が首を横に振った。

そしてゆっくりと一歩、また一歩と歩く。
「私、ちゃんと生きる。あきらめないで、またきっと歩けるようになる。陸と走れるようになる。ごはんも作れるそうになって掃除も洗濯も・・・」
そこまで言うと永遠が柚葉の体を抱きしめた。
「そんなに焦るなよ。時間はたくさんあるんだからさ」
その言葉に柚葉は永遠の背中に手をまわした。
「うん。愛してる。」
「・・・愛してるよ。柚葉。」
永遠は自分の手の中に柚葉のぬくもりを感じることができている今に感謝しながら目を閉じた。
< 108 / 154 >

この作品をシェア

pagetop