メリークリスマス!
片づけが終わると匡祐と千晃は二人でお風呂に入った。
浴槽に一緒に入り匡祐は後ろから千晃の体を抱きしめている。

「雪、降らなかったね。」
「そうだな。明日は冷えるから降るかもしれないな。」
「うん。」
「明日のショーに行くんだろ?」
「うん。新作のドレスも手掛けたしね。」
千晃はまだアパレルブランドの経営に加わり始めた。
相談役として間接的にかかわっていた仕事に、千晃の実力が評価されて参加することになったとき、千晃はそれまで自分がやってきたことが間違いではなかったのだと涙を流して喜んだ。
「俺、明日時間作れそうだから一緒に行こう。」
「本当?」
「あぁ。奥さんのエスコートをしないとな。」
匡祐はなにかと千晃の仕事をサポートしてくれている。
「ありがとう」
「どういたしまして。」
「なにかと心強い」
小さな声でつぶやいた千晃に「ん?」と匡祐が聞き返してもその時は千晃は何も答えなかった。
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