メリークリスマス！
理恵は大きなため息をついていた。
緊急の呼び出しからすぐに手術に入り、その後出産も立ち会い、やっと帰宅できるタイミングが来る頃にはあたりは明るくなっていた。

看護師長から翌日は午後出勤でいいといわれて理恵は改めて帰宅する準備をしていた。

着替えを済ませて携帯電話を見るとそこには朝陽からの着信履歴がたくさん入っていた。
すぐに理恵は朝陽に連絡をする。

でも、呼び出しても呼び出しても朝陽は電話に出なかった。
大きなため息を再びつきながら理恵が携帯のディスプレイを見るとそこには留守録があることを知らせるマークがついていた。

『理恵。ごめん。タイミング合わなかった。メリークリスマス。クリスマスに一人にしてごめんな。』
理恵は鼻の奥がつんとなった。

朝陽の声に元気がないことくらいすぐにわかる。理恵は支度を済ませると外科の病棟に再び向かった。
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