メリークリスマス!
大悟が箱を開けるとそこには新しい、大悟の名前入りのシザーが入っていた。
専門店にしか売っていないシザー。美容師にとって命でもある道具は実際に手にしてカットをしてみて決める。それに決して安価なものではない。
「この前、内緒で行ってきた。」
「よかったのに・・・無理しなくて。危ないし。」
「いいの。私が行きたかったの。」
莉子がもう一度ソファに座ると大悟もその隣に座った。
そして実際に自分の手でシザーを持ち動かしてみる。

まるで自分で買ったもののように手にフィットする。
嬉しそうに手を動かす大悟を見て莉子も満足そうだった。

「ありがとう。いいな。これ。いいよ。」
「よかった。気に入ってくれて。」
大悟は微笑みながら莉子の唇に口付けた。
「大丈夫?」
つわりで苦しんでいるときは大悟のキスすら嫌がる莉子。キスしながら大悟は莉子の様子をうかがっている。
「大丈夫。もう一回。」
莉子の言葉に大悟は微笑みながらもう一度キスをした。
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