メリークリスマス!
咲の言葉に渉が微笑む。
「前に買い物に行ったとき言ってただろ?」
「そうだった?かわいい!」
咲の好みの色と使いやすそうな大きさのリュック。
咲はさっそく背負ってみた。
「どう?似合う?」
「似合うよ」
渉は微笑みながら咲を抱きしめた。

「母親になってすんごく咲ががんばってるなって思ってる。家のことも頑張ってくれて、俺がいない間、優歩と家を守ってくれてありがとう。」
「どういたしまして」
「ごめんな。家あけること多くて。早く帰れるように頑張るからさ。」
咲は首を横に振る。
「渉は家のことも優歩のこともすごく協力してくれてるじゃない。十分すぎるくらいだよ。」
「そんなことない。頑張るよ。もっと。」
「私も頑張る。」
そんなことを話しながら抱きしめあっていると、咲は棚の上の写真が目に入った。
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