メリークリスマス!
あなたの心にいる人は・・・~廉と葵~
「きれいでしょ?」
「うん。」
「じゃあ君に天使を飾る役をお願いしちゃおうかな。」
葵は小さな男の子にツリーのオーナメントを渡した。
「ありがとう」
小さな手でオーナメント飾る男の子に微笑みながら葵は頭を撫でた。
「メリークリスマス。」
「メリークリスマス。」
男の子は母親の元へ駆け出して行った。

その子を目で追っていると、その視界の中に白衣姿で立っている最愛の夫が目に入った。
「廉」
その姿に葵が立ち上がり駆け出そうとすると
「走んな」
と廉が急ぎ足で葵の元へ来た。

「ほら」
そっけない言葉で手に持っていた葵の上着を肩にかける。
「ありがとう」
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