メリークリスマス!
「ちょっと疲れちゃった」
葵の言葉に廉はすぐにその肩を支える。
「歩けるか?」
「うーん。」
葵の反応に渉はすっと葵の体を抱き上げた。
「病室に戻るか」
「うん」
華奢な葵の体を軽々と抱き上げて廉は葵専用の個室へと移動した。

部屋に入るとすぐに葵をベッドの上に降ろす。
葵の上着を脱がせてその代わりに布団をかけた。
「ちょうど昼飯だな」
「うん。動いたからお腹すいちゃった。」
「それはよかった。」
廉は葵の脱いだ上着を片付けるとそのまま個室にある冷蔵庫へ向かった。

「ケーキ!」
廉が目の前にホールのクリスマスケーキをだして葵の顔がぱっと輝いた。
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