メリークリスマス！

「救急車に連絡して。繋がったらスピーカーフォンにして。」
「はいっ」
急に敬語を辞めた湊が樹に指示を出す。

樹が自分の携帯電話で119番に連絡をするとスピーカーフォンにした。
「救急です。40代男性。心拍停止。脈もふれません。呼吸停止。急に倒れました心筋梗塞の可能性があります。救急車要請します。倒れたのは2分ほど前。現在心臓マッサージ中です。」
早口で告げる湊にこの人は医者か救急隊員の人だと樹はすぐにわかった。
「誰か！AEⅮ持ってきてください！」
119番に連絡して的確に状況を伝えながら湊は集まっていた人に声をかけ指示を出す。
「電気ショックを与えるから離れてください。」
湊の出す指示に、樹は従い離れながら近くにいた人にも声をかける。
「すみません。離れてください。」
樹が声を出すとその声に湊が樹を見た。

「これでいいですか？ほかにできることは？」
樹が自分のジャケットも脱いで湊の上着と自分の上着を地面に置く。