メリークリスマス!
救急隊員が到着するころには湊も樹も汗をかくほど、真剣に心肺蘇生術を施していて、隊員が到着するころ、心拍が戻っていた。

湊は救急隊員にもう一度患者の状態を伝達して自分も救急車に同乗していくことを伝えた。

患者をストレッチャーに乗せて救急隊員が救急車に収容すると、搬送先の病院を探し始めた。

患者と一緒に救急車へ乗り込もうとする湊を樹は慌てて追いかけた。
「これっ」

扉が閉まる前に樹が湊のジャケットを差し出す。
すると湊は一度救急車に乗りかけた体を戻した。

「ありがとう。」
「いいえ。よろしくお願いします。」
「え?知り合い?」
「違います。他人です。」
樹の真剣な返事に樹は吹き出しで笑った。
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