君がいればそれだけで。
あの子供が花を売っている所を見なくなったのは王女のおかげだったという訳か。本当にお人好しなんだな。他の人の家庭なんて放っておいて、自由に暮らせば良いのに。

「あの頃からお人好しだったんだな、王女様って」

「だな。俺たちなら信じないような話だ」

「えっ、子供の言う事は信用しないの?」

リズレイドの言葉に頷いていると、ヒューに鬼の国はそんな物なのかと尋ねられた。でも、実際に鬼の国は子供の話はほとんど信用しない。戦いでは経験と術が物を言うから、どちらも足りていない子供は宛にしないよう信用しない者が多いんだ。
半信半疑で当たれば良い方というような占い感覚で聞いている人が多いという方が正しいかもしれないな。
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