君がいればそれだけで。
遠巻きに見れば冷たく、何も知らない人から見れば情もない。目をまともに見れる者がいるなら一生遊んで暮らせる金を用意しても良いとまで言っていた。でも、一つだけ違うのは笑って言っていたという事だろうか。昔の悪い出来事を笑って話しているような、懐かしんでいるような表情だった。

「評判が悪い事が分かっただけでどういう人なのかは今でもわっかんねぇ」

「不思議なお方だよね」

「ヒューはどうだったんだ?」

分からないという言葉に共感したように頷きながら笑うヒューにリズレイドは問いかけていた。でも、ヒューは国を出たい者を助けている魔女がいると風の噂で聞いたくらいでほとんど真っ白な状態で会えているらしい。
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